2012年4月22日日曜日

第2回研究会が開催されました。

平成24年4月21日(土)の13:30~、静岡新聞社制作センター5階第会議室で、第2回研究会が開催されました。

この日は、推進協議会事務局のお二人をのぞくと、望月会長を始め10人の参加者がありました。

始めに、推進協議会事務局の末木さんから、ここまで研究会事務局を担当してくださっていた西島先生が、諸処の事情でしばらく研究会をお休みされるため、当面の間、推進協議会事務局が研究会事務局を兼務するとのアナウンスがありました。
西村先生、早く研究会に戻って来られるようになることをお待ちしています。

今回は、静岡市立籠上中学校の大村先生の実践報告がメインでした。
当日は、かなり詳細に作られた指導案(大村先生は「単元カード」と呼ばれていましたが)とか、振り返りシート、実際に生徒が作ったスクラップなどをお持ちくださいました。
大村先生は国語がご担当とのことですが、国語の授業以外でも新聞を活用されいるとのことです。
例えば、朝の会でのスピーチに新聞から拾わせたニュースを発表させたり、当番日誌にもその日のニュースを記録する覧を作っていたり、一週間3ページの家庭学習の中でも、新聞のコラムの書き写しを推奨したりされているそうです。

お話の中で中心的だったのが、そのコラムの試写(書き写し)でした。初めはとにかくそのままコラムを書き写すだけということのようですが、徐々に読み調べをしたり、意味調べをしたりさせるんだそうです。そして、授業ではそれをグループで発表しあって、話し合いをさせるんだそうです。

高校にいた私にとっては(「いた」と過去形なのは、今年の異動で学校籍ではなくなったもので)、作業として少し簡単なのでは?と思ったのですが、望月会長からの、「大村先生のやり方は、生徒の発達段階に合わせたやり方で大変よい」とのコメントを伺い、納得しました。
中学校にはいろいろなレベルの生徒が一緒になっていますので、そのへんを考慮しないといけないわけです。高校の人間はあまり考えないことなので(考えないのは自分だけかもしれませんが)、非常に勉強になりました。

また望月会長が評価のしかたを質問されたのですが(これも、私などは評価?って思ってしまいました。あまり考えていなかったことなので)、新聞をつかった作業のなかで、試写は「書く」、発表や話し合いは「話す」、「聞く」の観点で評価されるとのことでした。

そして、特に小学校だと国語の力のが大切なので、新聞を使ったそのような授業はとても大切だという望月会長の話を伺いました。そう言われると確かにその通りですし、それは小学校に限らず、中学校はもちろん、高校でも大切です。
皆さんからも話が出ましたが、最近は字が読めない子が多く、その点で新聞コラムなどを試写させるだけでも力がつくし(事実、大村先生がご指導された生徒のなかで、2年間にわたって新聞コラムの試写をやりづづけて成績があがった生徒さんがいるそうです)、読み調べや意味調べをさせていけばもっと学力がつくと考えられるわけです(そういえば、某〇〇式学習法のラジオCMで、「すべての学習の力となる国語の読解力が身につく」というのがありました。正しく読めなければ、算数の問題すら解けないわけですから)。

また今回は、磐田市立神明中学校の横井先生が参加されて、NIEに関する話を色々と伺うことができました。
横井先生は、前のエントリーでも取り上げてありますが、新聞つくり日本一の指導者ですから、本当にいろいろなことをお考えです。
その横井先生いわく、「民主主義の基本は正しい情報を知ること」であり、そのためには「良い新聞記者を育てなければならない」、学校での新聞づくりも同じで、「良い記者(生徒)を育てなければ良い学校新聞はできない」のだから、NIEはそのために必要なものであり、「民主主義の原動力」となりうる教育だと言うことなのだそうです。
さすが、日本一になられる先生は違います。おしゃること、ごもっともです。ご本人もおっしゃられていましたが、悟りに達していらっしゃいます。
横井先生のNIEの取り組み、まとめて本にでもされると良いのにって思います。NIEのバイブルになること違いないと思うのですが。静岡新聞さんでやらないですかね?

なお、大村先生のご報告の後は、新聞編集の現場を見学させていただきました。大人が見ても、かなり興味深いものでしたので、小学校の社会科見学で来れば新聞に対する興味がもっとわくのではないかと思います。

それにしてもNIEって深いですね。今回、それを改めて感じました。
なお今回も、研究会内容のまとめは、あくまでも私個人の受け止め方をまとめたものなので、それぞれの皆さんの発言の趣旨が必ずしも正確ではないかもしれませんし、上記以外にも他の方々からももっといろいろな発言がありましたが省略させてもらっています。以上のことをご理解ください。研究会の記録として不十分ではありますが、研究会の雰囲気をお知らせするためのものとして受け取っていただけるとありがたいです。興味を持たれた方は、ぜひ研究会にご参加ください。

次回は、当初は6月16日の予定だったのですが、NIE推進協議会の総会と重ねってしまうことから、一週間遅らせて、6月23日に変更することになりました。次回のお知らせは事務局から連絡が行きますが、このブログを見られて参加されようとされる方は、この日をご予定ください。
なお、新規の入会についてはいつでも歓迎です。NIE推進協議会事務局にお問い合わせください。

静岡県NIE推進協議会事務局(静岡県NIE研究会事務局も兼務)
TEL.054-284-9152 FAX.054-284-9362 Eメール:s-nie@shizushin.com